ビクトリア・ヌーランドはなぜ辞任したか

ビクトリア・ヌーランド辞任へ

 突如、ビクトリア・ヌーランドが辞任することになりました。
 これには驚かされました。
 
 及川氏をはじめとして各方面がこの事情の裏を探っています。
 情報収集がされ様々な観測が出ている段階です。
 
 
 ビクトリア・ヌーランドはアメリカ、バイデン政権の国務次官としてウクでの謀略の青写真を描いていた人だと言われています。
 まさにウクの真っ只中にいた人物です。
 
 アメリカの工作によって達成されたマイダン革命に始まり、ミンスク停戦合意破り、東部の親露地域への砲撃、露系住民、民間人の虐殺、数々の犯罪に関わってきた戦犯と言えます。
 露はこの虐殺を止めるために侵攻したのです。
 
 





 ヌーランドの祖父母はウクからの移民で、そのソビエト時代の恨みから露へのむき出しの憎悪を隠さず、ヌーランドは公然と紛争の支援を表明し、多くの命を奪ってきました。
 彼女は人の命など何とも思っていないかのようです。
 
 その異常性は特筆に価します。
 
 彼女はゼレンスキーをも動かしてもおり、度々会見しています。
 彼女の行動には注目が集まってきました。
 
 そのウクとの最も太いパイプ役だったビクトリア・ヌーランドが辞任するというのです。
 
 いったいその背景には何があるのか。
 
 

ヌーランドはクビされたのか

 さて、主要な観測としては、これはヌーランドはクビになったのではないか、まずそのことが言われています。
 
 これまでの彼女の戦略立案はほとんど失敗でした。
 露は手強く、彼女の企みはことごとく失敗に終わっています。
 
 寄せ集めのアゾフ、ナチを信奉する連中は武器遊びに夢中でロクな戦術もありません。
 西側メディアにアピールするために住民を処刑して露のせいだとしたり、その程度の児戯に明け暮れています。
 
 
 むしろウクは防戦一方です。ウクにあるアメリカの生物兵器研究所を守ることさえおぼつきません。
 ヌーランド自身もその必要性と危険を認めていますが、生物兵器開発をアメリカがしていたということは大きな問題です。
 この事実はどうしても認めることができません。アメリカの信用は地に堕ちる。
 西側では報道されることはありませんが、それにしてもヌーランドはいったい何をやってたいたのか。
 
 
 すなわちヌーランドが辞任したのは表面的なことであり、実はクビだった。役に立たないとして切られたのだという観測です。
 そうした観測はウクが敗色濃厚であること、そんなことが元となっています。
 
 
 クビにするというのはもちろん、あまりやられる方法ではありません。
 体裁が悪いですから辞任という形をとらせます。相撲協会にしても不祥事を起こした力士は「引退」という形を取るわけですw。
 
 
 彼女はウクに固執し、露への数々の謀略を立案してきました。
 ノードストロームもクリミア大橋の損壊も、ドローンによるモスクワ攻撃にも関わっているフシがあります。
 そして必ずウクは勝利すると、彼女は進軍ラッパを吹き続けてきたのです。
 
 だからその彼女が自ら辞任することは考えられないというわけです。
 すなわち引責辞任、ヌーランドはクビになったと考えられているわけです。
 
 



クリミア橋の爆撃計画

 しかし何事もキッカケがあるものです。直接のキッカケはいったいなんだったというのでしょうか。
 決定的だったと思われているのはごく最近の出来事です。
 
 ドイツが最新型のミサイルを使ってクリミア橋を爆撃し完全に破壊する、その計画が漏れていたのです。
 ドイツ軍の首脳が相談をし、ショルツ首相が爆撃計画に及び腰であることに愚痴を言っている、その電話が盗聴され露に漏れてしまったのです。
 
 
 露は当然のことながらこの計画を知ると激怒しました。
 ショルツを在ドイツ露大使館に呼びつけ警告をします。
 
 公然とドイツが露攻撃に参戦してくればドイツからの宣戦布告とみなす、と。
 NATOとの全面衝突です。
 
 
 露としてもウク侵攻では節度を保ってきたものですが、そうなれば話は別です。
 生き残るために西側を滅ぼしにかかるでしょう。
 それはやむをないことです。愚か者が再三の警告にも関わらずエスカレートをさせ踏み外してしまったのです。
 
 核使用にしてもそうです。西側が核を使ってくればやむ得ません。
 プーチンは涙は流すでしょうが、躊躇することなく核を使用するでしょう。西側の狂気を終わらせるために。
 
 
 この件では盗聴されていたことをドイツ側は非難したものの、クリミア橋の爆撃計画があったことは認めざるを得ませんでした。
 これによりこの計画は放棄せざるを得ません。
 
 
 一方でフランスはマクロンがウクへ兵士を派遣することを検討していると発言して大問題になっています。
 遠い対岸の火事だったウクの紛争にフランス兵を使うというのです。
 
 この馬鹿げた話に露は相手にはしていませんが、やはり警告はしています。
 あまりにも愚かな発想です。なぜ露が西側を直接攻撃しなかったのか、それが分かっていないからです。
 
 

限定的紛争

 これまで、ドイツどころかフランスやイギリス、アメリカでさえ特殊部隊をウクへ送り込んでいます。
 実態としては露と西側の紛争には違いありません。
 ただウクという舞台に限定しているというだけに過ぎません。
 
 ウクにいる西側の兵士の存在は公然の秘密であり、公式なものではありません。露としてはあくまでウクへの侵攻と考えています。
 
 西側もウクにいる外国人を義勇兵と言ってみたり、訓練して支援しているだけだ、そんな言い訳を通してきました。
 露もこれに応じるかのようにしてNATOと露の全面衝突には発展していません。
 
 つまりウクは国土を代理紛争の犠牲にされているわけです。
 その見返りは兵器や弾薬とありあまるほどのカネ。
 ゼレンスキーも私腹を肥やしています。
 
 
 ショルツ首相の胸の内は分かりませんが、もしこの電話の内容が漏れなければドイツは爆撃を実行していたかも知れません。
 最新型のミサイルの操作はウクにはできません。
 直接爆撃を実行するのはドイツということになります。
 
 表立った証拠が見つからなければドイツはウクに提供した兵器によってウクがやったことだと強弁すればよいだけです。
 
 

 それはドイツとロシアを結ぶガスパイプライン、ノードストロームの破壊工作と同じスキームです。
 ノードストロームの破壊では西側は当初、露の自作自演などと強弁していたものの、明らかに説明になっていませんでした。
 結局はウクを支援する武装組織によって行われた、そんなことに落ち着いています。
 やはり「実行したのはウクだった」と、しなければならなかったのです。
 
 もちろん、これはイギリス、アメリカ、ノルウェーが共同して行った破壊工作でした。
 自国のエネルギー供給源を破壊されたドイツは抗議もできずに黙らせられました。
 ショルツは国民よりも西側の奴隷になることを選んだ。
 
 西側マスコミもこうした言い訳を擁護するように報道しています。毎回、マスコミはそんな権力者たちの宣伝に協力してきたのです。
 
 
 この電話が漏れてしまったことで、もし爆撃が行われれば露はドイツが攻撃を仕掛けてきたと言うことが出来ます。
 それはドイツの参戦を意味し、ドイツへの攻撃は許されることになります。自国の防衛と反撃は国際的にも認められた権利です。
 すなわちドイツと露、NATOと露との全面衝突ということになります。
 
 ショルツはそうした事態を避けたいと爆撃計画には及び腰だった訳てす。
 
 露との衝突は限定的でなければならない、それはあくまでウクでの戦闘であり、西側は武器の供給や訓練などで間接的に支援しているだけである、この建前は崩せないのです。
 
 

ヌーランド辞任の疑問

 つまり、この計画が頓挫したことでヌーランドは辞任したのではないか、それが大方の観測なのです。
 実際にはどうなのか。
 
 まず、アタシはこの観測には否定的な見方をしています。
 
 クリミア橋への攻撃ができなくなって、それでなぜヌーランドが辞任しなければならないのでしょうか。
 そもそも橋を完全に破壊したとしてどれだけ戦況が変わるでしょう。
 せいぜいまた露の自作自演だと喧伝するのが関の山ではないか。
 
 クリミア橋は軍事施設でもありません。また補給路となっているわけでもない。
 どうしても落としたい攻撃目標であるはずもないのです。
 
 
 あるいはヌーランドの国務次官としての資質に疑問ありとされたのでしょうか。
 ドイツを直接攻撃に関与させることは西側全体を巻き込んでしまうリスクがあります。そうしたことを平然と立案したヌーランドをバイデン政権が疎んじたのでしょうか。
 
 しかし実態としては西側は事実上紛争に参加しているのです。
 節度を守っているのが露側というだけです。西側はそれに言ってみれば甘えているのです。
 
 停戦の呼びかけはひと言もされてはいません。
 支援支援と繰り返し、領土争奪ごっこを観戦しているのが西側です。
 彼らには露を弱体化させるという目標があります。そして露の天然資源を狙ってもいる。巨額のカネが動き、戦争はまたカネになります。
 人間としての規範のかけらもなく戦争が続いてきたのです。
 
 その進軍ラッパを吹いていたヌーランドを辞任させたらどうなるか、ウクは糸の切れた凧になってしまいます。辞任などさせるでしょうか。
 
 

 あるいは、もうウクは負けているという状況があります。
 反転攻勢もできず、ウクは犬死にとなった死体の山ばかりです。
 
 つまり西側全体が露に負けているのです。だからヌーランドを辞任させ、終戦という方向性をバイデン政権が模索し始めたのか、どうか。
 それも今更の話です。
 戦闘の継続を望むヌーランドを外せば終戦につながるでしょうか。これまでのヌーランドのパイプを失えば逆に終戦なとどままならないのではないか。狂気が止まることはないのではないか。
 
 
 しかしウクの敗色濃厚ということは疑問の余地がありません。
 米議会では600億ドルの追加支援が通らない可能性もあります。大統領選ではトランプはウク支援に否定的です。ディープステートを止めると彼は宣言している。
 これ以上、殺戮のためにアメリカがカネを投じることにあちこちから疑問が出始めているわけです。
 何にしてもヌーランドは必要な人材ではないのか。
 
 

逃げ場

 数々の事実を総合すれば、アタシにはヌーランドは自ら辞任したように思えます。
 引責辞任ではなく自ら辞任したのではないか。
 
 なぜか、
 ヌーランドは人身御供にされる気配を察知したのではないか。
 全面的な責任を負わされ、吊るし上げられることを避けるために辞任して逃れようとしたのではないか。
 
 ウクとバイデン政権との関係ではヌーランドの露出は格段のものがありました。
 ヌーランドも積極的に会見をしているのです。いずれその「顔」が裏目に出るかも知れないのです。
 
 
 最近、風向きが明らかに変わってきています。
 あちこちから観測気球が上がり、ウクについて否定的なコメントも出るようになっています。
 
 ボリス・ジョンソンはプーチンのインタビューが流れた直後に絶叫して抗議したものです。
 いわく、「タッカーカールソンは裏切り者だ!」と。
 ボリスジョンソンは侵攻が始まってわずか二ヵ月後、ウクと露の停戦協議が進行していることを知るやこれを阻止しするためにウクに行ったのです。それがバラされてしまった。
 
 当時ボリス・ジョンソンがウクに駆けつけたことは報道もされています。
 それは何のためだったか、それはゼレンスキーに停戦などすべきではない、戦闘を続けるように言いに行ったのです。
 「裏切り者」、秘密だったことをバラされてしまったというわけです。
 ボリス・ジョンソンもまたその手は血で汚れているのです。
 
 すなわち、もはや誰が何をしたかが問われてしまう、その段階にあるのではないか、だからボリス・ジョンソンは慌てた。粟を食ったのです。
 
 
 なお、タッカーカールソーンのプーチンへのインタビューは他には取り立てて目新しいものはありませんでした。
 ボリスがウクに行ったこともよく知られていました。
 
 西側にとって問題だったのは、西側がこれまで報道してきた印象とプーチンの姿はまるで違っていたということでした。
 彼はアルツハイマーでもなかったし狂人でもなかった。
 
 バイデンやペロシ、ヒラリーらの日頃の邪悪さに較べればプーチンの語り口は実に穏やかなものだったのです。
 どちらが嘘つきであることが明白になってしまった。誰が悪なのかも。
 西側による露を悪とする印象操作が嘘であったことが流れてしまったのです。それこそがこのインタビューの最大の問題でしょう。
 
 

結論

 ともかく、ボリス・ジョンソンが粟を食って絶叫したように、今はウクで起きたことの戦犯を探す段階にあるのではないかということです。
 彼女もそんな雰囲気を感じ取ったのではないか。
 
 最終的にヌーランドが全てを画策したとされ、全責任を背負い込まされる危険を彼女は感じたのではないか。
 
 これが終結した時にヌーランドがまだその職にいればそうなることは間違いありません。
 
 個人的な恨みから大勢の人々を死なせ、兵器産業への天下りをも目論んでこれまでさんざん非道無比なことに関わってきたのです。
 戦犯として裁かれる者がいるとすればまず真っ先にヌーランドということになるでしょう。
 「東京裁判」。
 
 
 しかし、今はまだ紛争は終結していません。今の段階で辞任してしまえばまだ助かるかも知れません。
 
 バイデン政権が舵を取っているわけです。バイデンには大統領選挙というのがあります。
 利用できるものならウクも何とかしたいでしょう。
 
 その時、ヌーランドはいないのですから彼女は関与していないということになります。
 敗戦が見えてきた今、助かる道はそれしかないのではないか、と、ビクトリア・ヌーランドは自分が生贄にされそうな雰囲気を感じたのではないか。
 
 今の段階で総合すればアタシはヌーランドは自ら辞任したと見ています。
 自分だけ責任を背負い込まされるのを避けるために。
 
 彼女はそれだけのことを自分がやってきたことは分かっているでしょう。
 責任追及から逃れる道は辞任する方法以外にもあることでしょう。永遠にこれを続けさせることです。
 あるいは誰か身代わりを用意する、目立った人物を引きずり出して罪をかぶせる。ヌーランドが避けたのはこれです。
 
 錯乱した西側の権力は今、終戦に向けてますます自暴自棄になりつつある。
 民主主義などとっくに消し飛んだ西側です。トカゲの尻尾よろしく切り捨てられたウクが西側に逆切れして何かを仕掛けることも考えられなくもない。

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